大学まで進学した私は、アウトドアが好きだったので登山部へ所属した。そこで同級生のA、B、C(いずれも仮名)と仲良くなり、卒業してからも4人で暇があれば集まってアウトドアを楽しむ関係が続いていた。ある年の夏。私達4人は中級者向けの少し険しい山へ、日帰りの登山をする事にしていた。登山は久しぶりだが不安は無かった。これまでの経験があるからだ。しかし例え熟練者だったとしても、予期しないトラブルが起きるのが自然であり、山なのだろう。途中までは順調だったのだが、異変はあまりにも突然だった。あれよあれよと急激に濃い霧に包まれ、腕を伸ばすと指先すら見えない危険な環境へと変貌。これはもう移動も無理だな、と思った矢先だった。「うわっ!」突然、誰かが声を上げた。そして何かが斜面を滑り落ちるような音がする。「おい!大丈夫か!」確認するとCがいない。どうやら斜面を滑落したらしい...
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