高岡早紀が時代劇の画面に立つと、闇に体温が宿る。
それは、ただ美しいからでも、男を惑わせるからでもない。
彼女が演じる女性たちは、欲望も、寂しさも、愛されたいという願いも、きれいに整理しないまま抱えている。
微笑みの奥に傷があり、柔らかな声のなかに強い意志がある。
だからこそ、その存在は見る者の心をざわつかせる。
今回取り上げるのは、1994年の映画『忠臣蔵外伝 四谷怪談』と、2006年製作のテレビ時代劇『仕掛人 藤枝梅安』。
高岡早紀が演じるのは、愛する男に裏切られ、やがて伝説の幽霊となるお岩。
そして、人を救う鍼医者と、人を殺す仕掛人という二つの顔を持つ藤枝梅安の恋人・おもんだ。
一方は、愛によって物語を燃え上がらせる女性。
もう一方は、...