新型コロナウイルス感染症は、二〇二三年五月に(従来のインフルエンザなどと同じ)5類感染症に分類されたことにより、ひと区切りがついた。しかし感染症の専門家からは、新型コロナ禍と同程度、あるいはそれを超える規模のパンデミックが再び発生する可能性は充分にあるという警告が発せられている。
いつかその時が来たとき、私たちの社会は、新型コロナ禍に対(たい)峙(じ)したことで得た経験値を有効に活(い)かすことができるだろうか。本書はこの問題について、情報コミュニケーションの立場から検討した研究成果をまとめたものである。論文形式ではなく、生命科学者、ニュースキャスター、科学ジャーナリスト、サイエンスライターの四人が取材者となり、「テレビ報道」「臨床医」「ソーシャルメディア」「ファクトチェック」「新聞」「専門家会議」「ウイ...